【図解でわかる】限界収入と限界費用とは?MR=MCの利潤最大化をわかりやすく解説!

ミクロ経済学の学習では「限界収入」「限界費用」「利潤最大化」といったワードが登場しますが、「なんだか難しそう…」と感じる人も多いのではないでしょうか?

特に「限界」という言葉は日常ではあまり使わないため、意味がよく分からないまま読み進めてしまい、途中でつまずいてしまう人も多いポイントです。

さらに、「限界収入=限界費用のとき利潤最大になる」という点も、直感的には理解しづらく挫折する要因にもなってしまいます。

今回は、「限界とは何か」という基本から利潤最大化の仕組みまでをわかりやすく解説していきます。

「限界」とは

経済学でいう「限界」とは、「ある行動を少しだけ増やしたときに、どれだけ変化が生まれるか」を表す考え方です。

例えば、ケーキをもう1個多く販売したときの追加の収入や、商品を1つ多く作ったときにかかる追加の費用などがこれにあたります。

重要なのは「全体」ではなく、「あと1単位増やしたときの変化」に注目する点です。

経済学では「限界」という考え方を使うことで、どこまで行動するのが最も効率的かを判断できるようになります。

ただ、この「限界」を説明する上で欠かせない「完全競争市場」という前提条件があるので、まずはこちらから解説します。

完全競争市場とは

完全競争市場とは、「多数の企業と消費者が存在し、誰も市場価格に影響を与えられない市場」のことを指します。

このような市場では、企業は自ら価格を決めることができず(値上げをすると消費者が他の企業に流れるため)、市場で決まった価格をそのまま受け入れる「価格受容者(プライステイカー)」として行動します。

また、完全競争市場は以下のような特徴があります。

完全競争市場の特徴
  • どの企業の商品もほぼ同質であり、消費者はどこから購入しても差を感じない
  • 新しい企業が自由に参入でき、利益が出れば参入が増え、利益が出なければ撤退が起こる
  • 売り手と買い手の間で情報が十分に共有されており、価格や品質について誰もが同じ情報を持っていると仮定

このような条件がそろうことで、価格は需要と供給によって自然に決まり、企業はその価格のもとで生産量を調整することになります。

限界収入や利潤最大化の分析では、「完全競争市場」であることが前提となっています。

それでは、限界収入について見ていきましょう!

限界収入とは

限界収入とは、財やサービスを1単位追加で販売したときに増える収入のことです。

言い換えると、「もう1つ商品を売ったときにどれだけ売上が増えるか」を表す指標です。

例えば、町のお菓子屋さんが1個500円のケーキを販売しているとします。

このお菓子屋さんがケーキを1個追加で販売した場合、売上は500円増えるので限界収入は500円となります。

完全競争市場の場合、先ほどの解説のとおり企業は市場価格を受け入れなければならない(=自由に価格設定ができない)ので、供給量に関係なく販売価格は一定になります。(限界収入=価格になる)

つまり、完全競争市場において限界収入は価格と等しくなり、グラフは上の画像のように平行になります。

限界費用とは

次に限界費用について見ていきましょう。

限界費用とは、財やサービスを1単位追加で生産したときに増える費用のことです。

先ほどと同じように、ケーキの例を使って見ていきましょう。

ケーキを1個作るためには、小麦粉や生クリームといった原材料のほかに、電気代、人件費などのコストがかかります。もしケーキを1個追加で作るために100円の費用がかかるなら、そのときの限界費用は100円です。

また、限界費用には「生産量が増えるにつれて費用が増加する」という特徴があります。

生産量が少ないうちは効率よく生産できるため費用は比較的低く抑えられますが、生産量が増えていくと「設備の混雑」「効率の低下」など追加生産にかかる費用は次第に大きくなる傾向があります。

そのため、生産量が増えるにつれ費用が大きくなり、限界費用曲線は一般的に右上がりの形になります。

利潤最大化の条件(MR=MC)

ここまでの解説で、なんとなく「限界収入」や「限界費用」についてイメージができたのではないでしょうか?

ここでは、「限界収入」と「限界費用」を使って表される「利潤最大化」について見ていきましょう!

ミクロ経済学では、企業が利益を最大化する条件は次のように説明されます。

限界収入 = 限界費用

この点で企業の利益は最大になります。

この関係をグラフで確認してみましょう!

「限界収入線」と「限界費用曲線」を1つのグラフで表すと上の図のようになります。

「限界収入」は価格と等しいので、平行の直線になります。

一方、「限界費用」は生産量が増えるにつれ費用の額が大きくなるので、右上がりの曲線になります。

このグラフに「利潤」を加えたものが、次のグラフになります。

企業の利潤は「価格(限界収入) − 限界費用」で表されます。

生産量がX1個のときは①が利潤になり、生産量がX2個のときは②、生産量がX3個のときは③が利潤になります。

このように、「限界収入線」と「限界費用曲線」が交わっているX3個のときに利潤の面積が最大になることがグラフからわかります。

念のため「限界収入 > 限界費用」「限界収入 < 限界費用」のグラフも確認してみましょう!

・「限界収入>限界費用」のとき

生産量がX2個、つまり「限界収入 > 限界費用」のとき、企業の利潤は「①+②の面積」になります。

ただ、グラフを見てのとおり、企業はまだ利潤を得る余裕が残っていることがわかります。

・「限界収入 < 限界費用」のとき

生産量がX4個、つまり「限界収入 < 限界費用」のとき、限界費用曲線が限界収入を超えてしまい、企業の利潤は「①+②+③−④の合計」になってしまいます。

このように、限界費用曲線が限界収入線を超えてしまうと「得られる収益」よりも「生産する費用」の方が大きくなってしまうので、企業は生産するだけ損失がでます。

結果として、「限界収入=限界費用」のときの生産量が最適生産量になり、利潤が最大化になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか!

「限界」という経済学特有のワードは一見難しそうに感じるかもしれませんが、

  • 限界収入・・・商品を1単位追加で販売したときに増える収入のこと
  • 限界費用・・・商品を1単位追加で生産したときに増える費用のこと

と、とてもシンプルな内容です。

また、これらをグラフ化することで、「限界収入=限界費用のときに利潤最大化になる」という仕組みも簡単に理解することができます。

この考え方は企業の行動を理解するうえで非常に重要であり、ミクロ経済学の基本概念の一つです。

私たちの生活に密接している「消費者余剰」「生産者余剰」といったミクロ経済学の論点も、今回解説した

  • 限界収入
  • 限界費用
  • 利潤最大化

が登場するので、ぜひこちらの解説記事もご覧になって見てはいかがでしょうか!

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