「チャートを読めないと投資はできないの?」
このように不安に思う方も多いのではないでしょうか。
投資を始めるにあたって、最初から難しい知識をすべて完璧にする必要はありませんが、チャートの基本的な読み方を知っておくと、投資において非常に大きな武器になります。
チャートには「今、相場に参加している人たちが買いたいのか、売りたいのか」というリアルな心理がグラフとして視覚的に表れています。
これが読めるようになると、「今は買うタイミングなのか、それとも待つべきなのか」を、他人の意見や感情に振り回されることなく、自分自身の目で客観的に判断できるようになります。
今回は、投資の基本となる「ローソク足」の正しい見方から、チャートを使った具体的な分析方法、そして実践する上での注意点までをわかりやすく解説します。
チャートとは

チャートとは、一言で言えば
「過去から現在までの価格の動きを、時間を追ってグラフにしたもの」
です。
チャートの縦軸は「価格(株価や為替レート)」、横軸は「時間」を表しています。
横軸の「時間」の切り取り方によって、チャートはいくつかの種類に分かれます。
- 分足(ふんあし): 1分や5分ごとの値動きを記録したもの。デイトレードなど超短期の売買で使われます。
- 日足(ひあし): 1日ごとの値動きを記録したもの。数日から数週間の投資で最もよく使われる基本のチャートです。
- 週足(しゅうあし)・月足(つきあし): 1週間、1ヶ月ごとの値動きを記録したもの。数ヶ月から数年単位の長期的なトレンドを把握するのに使われます。
これらの時間軸を自在に拡大・縮小して見ることで、
「長期的な流れを見てから短期的な売買ポイントを探す」
という、精度の高い投資が可能になります。
チャートの見方を解説
チャートを構成している、赤や青(または白や黒)の四角い棒線のことを「ローソク足」と呼びます。
形がロウソクに似ていることから名付けられた、日本発祥の分析ツールです。
ここでは、チャートの見方をわかりやすく解説します。
1. ローソク足を構成する「四本値
2. 「陽線」と「陰線」
3. 「実体」と「ヒゲ」
1. ローソク足を構成する「四本値」

ローソク足は、指定した期間(1日や1時間など)の価格の推移を、以下の4つの重要な価格(四本値)を使って示します。
- 始値(はじめね): その期間が始まった最初の価格
- 終値(おわりね): その期間が終わった最後の価格
- 高値(たかね): その期間の中で最も高かった価格
- 安値(やすね): その期間の中で最も低かった価格
この4つの価格の中で、特に投資家が重要視しているのが「終値」です。
始値は、市場が開いた瞬間の「期待」や前日のニュースの影響で決まることが多く、価格が不安定になりがちです。
一方で終値は、その期間中に買い手と売り手が攻防を繰り広げた結果、最終的に「この価格で納得しよう」と落ち着いた価格を示します。
ニュースで「本日の日経平均株価は〇〇円でした」と報道されるのも、すべてこの「終値」を指しています。
チャートを分析する際も、「終値が前日の高値を超えられたかどうか」がトレンドを見極める非常に重要なサインとなります。
2. 「陽線」と「陰線」

ローソク足には大きく分けて2つの種類があり、これで「買い手と売り手のどちらが強かったか」が一目でわかります。
陽線(ようせん):
始値よりも終値の方が「高かった」ローソク足で、その期間のスタート時よりも価格が上昇して終わったことを意味します。
これは、買いたい人(需要)の勢いが売り手を上回り、買い手が勝利した証拠です。一般的に日本のツールでは「赤」や「白」で表示されます。
陰線(いんせん):
始値よりも終値の方が「低かった」ローソク足で、その期間のスタート時よりも価格が下落して終わったことを意味します。
こちらは、売りたい人(供給)の勢いが買い手を押し切り、売り手が勝利した証拠です。一般的に日本のツールでは「青(または緑)」や「黒」で表示されます。
3. 「実体」と「ヒゲ」

ローソク足の太い四角形の部分を「実体」、そこから上下に伸びている細い線を「ヒゲ」と呼びます。
実体:
始値と終値の差を表す四角い部分です。
この実体が長いということは、その期間中ずっと「もっと上がる(あるいは下がる)」と考える人が多く、一方向に勢いよく価格が動き続けたという明確な結果を示しています。
上ヒゲ(うわひげ):
実体の上から伸びている線です。
これは
「一時的に価格が上がったものの、『さすがに高すぎるから、今のうちに売ってしまおう』と考える人が増えて、結局スルスルと価格が下がった」
という値動きの跡です。
上ヒゲが長いほど、「これ以上価格が上がるのは難しそう」というサインになります。
下ヒゲ(したひげ):
実体の下から伸びている線です。
これは
「一時的に価格が大きく下がったものの、『お買い得な価格になったから買おう』と考える人がたくさん集まって、結局価格が持ち直した」
という値動きの跡です。
下ヒゲが長いほど、「これ以上は価格が下がりづらい(底を打ったかもしれない)」というサインになります。
このように、ローソク足の形(実体の長さやヒゲの長さ)を一つひとつ丁寧に読み解くことで、
「今は買い手が優勢だ」
「売り手が反撃を始めている」
といった、市場の動きを把握することができます。
実体やヒゲの長さがどう変わるか確認できます。
チャートを使った分析とは
次は、チャート全体を使ってどのように投資の分析を行うのかを解説します。
チャート分析の最大の目的は、
「今、市場に参加している人たちの『多数派』はどちらなのかを見極めて便乗すること」
ことです。
1. 相場の2つの状態「トレンド」と「レンジ」
2. トレンドの発生(レンジブレイク)を狙う
1. 相場の2つの状態「トレンド」と「レンジ」
チャートの動きは、大きく分けて2つの状態しかありません。
◯トレンド相場: 価格が明確に一定の方向(上または下)に進んでいる状態。
・上昇トレンド: 高値と安値が、前回よりもどんどん切り上がっていく状態。(買い手が多数派)
・下降トレンド: 高値と安値が、前回よりもどんどん切り下がっていく状態。(売り手が多数派)
◯レンジ相場: 価格が一定の幅(上限と下限)の間を、行ったり来たりしている状態。買い手と売り手の力が拮抗しており、方向感がありません。
2. トレンドの発生(レンジブレイク)を狙う
相場の大半はレンジ相場だと言われています。
しかし、拮抗していたパワーバランスが崩れ、レンジの上限(過去の高値)または下限(過去の安値)をローソク足が力強く突き抜ける瞬間があります。
これを「レンジブレイク」と呼びます。
たとえば、何度も跳ね返されていた「過去の高値」を上抜けて高値を更新した場合、「これ以上は上がらないだろう」と思って売っていた人たちが慌てて買い戻し(損切り)を行います。
これにより、一気に強烈な上昇トレンドが発生します。
チャート分析とは、こうした「重要な高値・安値の更新」を確認して、新しく形成された多数派の波に逆らわずに乗っていく技術といえます。
代表的な「形(フォーメーション)」を知ろう
チャートを長く観察していると、相場が上昇から下落(または下落から上昇)へ転換する際、特定の「決まった形」がよく出現することに気づくかと思います。
これは、世界中の投資家が同じような心理状態で売買を繰り返す結果、チャート上に同じようなパターンが刻まれるためです。
ここでは、相場の転換点を示す2つの代表的な「形(フォーメーション)」を紹介します。
1. 「ダブルトップ」と「ダブルボトム」
2. 「ヘッド・アンド・ショルダー」
1. 「ダブルトップ」と「ダブルボトム」
アルファベットの「M」や「W」のような形を描く、最も有名なチャートパターンです。
・ダブルトップ(Mの形)

ダブルトップとは、相場が上昇した後に一度下落し、再度同じ水準の高値まで上昇したものの、そこを突破できずに再び下落する「M」のような形を表します。
これは、前回の高値付近で「これ以上は価格が上がりにくい」と判断する投資家が増え、利益を確定するための売り注文が集中している状況を表しています。
2度にわたって同じ高値で跳ね返されたことで上昇の勢いが失われたとみなされ、下落トレンドへ転換するサインとして使われます。
・ダブルボトム(Wの形)

ダブルボトムとは、ダブルトップの逆で、相場が下落した後に一度反発し、再度同じ水準の安値まで下落したものの、そこから跳ね返って上昇する「W」のような形を表します。
これは、前回の安値付近で「今の価格は十分に割安だ」と判断する投資家が増え、新規の買い注文が入りやすくなっている状況を表しています。
2度にわたって同じ安値で下落が止まったことで下値の堅さが確認され、上昇トレンドへ転換するサインとして使われます。
また、「M」や「W」の字の真ん中の折り返し地点(直近の安値や高値)に引いた水平線を「ネックライン」と呼びます。
例えばダブルトップの場合、ただMの形になっただけでなく、価格がこのネックラインを下に突き抜けた瞬間に「形が完成した(完全に下落へ転換した)」とみなされ、売りが加速する傾向があります。
2. 「ヘッド・アンド・ショルダー」

3つの山で構成され、真ん中の山が一番高くなっているパターンです。
人間の「頭(ヘッド)」と「両肩(ショルダー)」のように見えることからこう呼ばれます。
ヘッド・アンド・ショルダーとは、相場が上昇して一度高値(左肩)をつけ、次にさらに高い高値(頭)をつけた後、3度目の反発(右肩)が最高値である「頭」の高さを超えられずに下落へ転じる形を表します。
これは、これまで順調に高値を更新していた相場の上昇の勢いが失われ、買いよりも売りの圧力が強くなっている状況を表しています。
「もうこれ以上は価格が上がらない」と判断した投資家からの利益確定や新規の売り注文が増えるため、上昇トレンドから下落トレンドへ転換するサインとして使われます。
このパターンもダブルトップなどと同様に、2つの谷底を結んだ「ネックライン」を価格が下に突き抜けた時点で形が完成したとみなされ、そこから下落がさらに加速する傾向があります。
チャートがどのように形成され、どこで転換のサインが出るのかを確認できます。
チャート分析で失敗しないための注意点
チャートは非常に強力な武器ですが、万能ではありません。
ここでは、チャート分析で失敗しないための注意点をお伝えします。
1. 「だまし」に注意する
2. 「形(フォーメーション)」だけに頼らない
3. 値ごろ感で「逆張り」をしない
1. 「だまし」に注意する
投資の場面では、「過去の高値を抜けたから上昇トレンドが発生したかも」と思って買った直後に、急反転して大暴落することがあります。
これを「だまし」と呼びます。
「だまし」に遭った場合は、「自分の読みが外れた」ことを素早く受け入れて、大きな損失になる前に「損切り(損失を確定させること)」を行う資金管理が必須です。
2. 「形(フォーメーション)」だけに頼らない
先程解説したように、チャートには「ダブルトップ」や「ヘッド・アンド・ショルダー(三尊)」といった、チャート特有の「形」がありますが、形だけを暗記して取引するのは非常に危険です。
チャートの形でおおまかな傾向を掴むことはできるものの、必ずしも「チャートがこのような形だから値が上がる・下がる」とは限りません。(チャートの形で値段が決まるなら、投資で負ける人は出ませんよね。)
形ベースで投資をするのではなく、その背後にある「投資家心理」をイメージすることが重要です。
3. 値ごろ感で「逆張り」をしない
投資初心者に多いのが、大きく下落しているチャートを見て
「さすがに下がりすぎだからこれから上がるだろう」
という根拠のない感覚で買ってしまうことです。
チャートの形から状況を判断しつつ、それに加えて
「なぜ下がっていたのか」
「その悪材料(社会情勢など)はすでに解消されたのか」
「企業の本来の価値(業績)に問題はないか」
といった、経済ニュースや決算データなど「その他の客観的な情報」も併せて確認することが何よりも大切です。
「チャートのサイン」と「その他の経済や会計情報」のように複数の観点から見ることで、根拠のある安全な投資判断ができるようになります。
チャート分析の他に投資に役立つ学問
ここでは、チャート分析の他に投資の強力な武器となる「3つの学問」と、その役立ち方を紹介します。
興味のある分野から、ぜひ知識を広げてみてください。
1. 統計学:データで相場の「確率」を導き出す
2. 会計学(簿記):企業の「本当の価値」を見抜く
3. 経済学:ニュースの裏側と「社会情勢」を読み解く
1. 統計学:データで相場の「確率」を導き出す
単なる経験則や勘に頼らない投資を行うには「統計学」が役に立ちます。
統計と金融を組み合わせた「金融工学」という分野があるほど、投資と統計データは密接に関わっています。
統計学の視点を持つことで、
「この株・通貨は今が買いか」
「今の価格のブレ幅(リスク)は異常値ではないか」
といった客観的な分析が可能になります。
感情ベースではなくデータに基づいた冷静なトレードを行いたい方には、統計学は必須の知識です。
2. 会計学(簿記):企業の「本当の価値」を見抜く
株式投資を行う際、チャートの形と同じくらい重要なのが、企業の「財務諸表(会計情報)」です。
会計や簿記の知識があれば、企業が発表する決算書(財務諸表)を正しく読み解くことができますが、これによって表面的なニュースに惑わされることなく
「安定した収益性がある優良企業なのか」
「倒産の恐れがある危険な企業なのか」
を、数字の裏付けを持って判断できるようになります。
より安全な投資を目指すなら、会計の知識は最大の武器になります。
3. 経済学:ニュースの裏側と「社会情勢」を読み解く
為替(FX)や株価は、各国の金利政策や物価上昇、雇用情勢といった「経済」の動きに極めて大きな影響を受けます。
経済学を学ぶことで、日々流れてくる「経済ニュース」や「社会情勢の変化」が、今後の相場にどう影響するのかを論理的に予測できるようになります。
「金利が変動すると通貨にどのような影響を与えるのか」
「なぜ不景気なのに株価が上がるのか」
といった、相場を動かす本質的なメカニズムを深く理解するためには、経済学の視点が欠かせません。
つまり、経済学を学ぶことで、投資に必要な情報を見て判断する力を養うことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
- チャートは、投資家の心理と行動(買いと売りの戦い)が記録された「足跡」。
- ローソク足には「四本値(始・終・高・安)」があり、実体とヒゲの長さから市場の戦況を読み取ることができる。
- チャート分析の目的は、未来の予知ではなく「高値と安値の更新」を確認して、現在の「多数派」に乗ること。
- 「形」の丸暗記や「値ごろ感」での売買を避け、予想が外れた際は素早く損切りを行う。
- チャート分析の他に、投資には統計や会計、経済の知識を活用することで勝つ確率が上がる。
「チャート」という言葉を聞くと難しく感じるかもしれませんが、仕組みはとても単純です。
今回学習した内容をもとに、証券会社やFX会社の無料ツールを開いて過去のチャートを見ることで
「ここで高値を更新したから上昇トレンドが始まったんだな」
「この長い下ヒゲは、強い買いが入ったのかも」
のように、より実践的な学習が可能になります。
ぜひ、チャートや統計・会計・経済学をうまく活用して資産運用してみてはいかがでしょうか!
株式投資を始めるならDMM株がおすすめ!
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今回学んだ内容を活かして、まずは無理のない範囲から実践に移してみてはいかがでしょうか!









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