- SNA(国民経済計算)
- SNA関連指標(GDP、NDPなど)
SNA(国民経済計算)とは
ミクロ経済学が「家計や企業など個別の経済主体の行動を分析」するのに対して、マクロ経済学は「国全体の経済規模(GDP)や物価、失業率といった経済全体の動きを分析」する学問です。
そして、国の経済規模や活動状況を統一された基準で測定・記録するための会計体系を「SNA(国民経済計算)」と呼びます。
国際連合が定める統一基準であり、日本のマクロ経済統計もこれに従って内閣府が作成・公表しています。
SNA上で、GDP統計は生産面、分配面、支出面の各面が一致しますが、これを「三面等価の原則」といいます。
これは、国の経済規模を
- 生産(供給)
- 分配(所得)
- 支出(需要)
の、どの側面から計算しても、事後的には必ず等しくなるという法則です。
生産(付加価値の合計) = 分配(所得の合計) = 支出(需要の合計)
SNAでは、GDPの他にも様々な指標が登場します。
- GDP(国内総生産)
- NDP(国内純生産)
- DI(国内所得)
- NI(国民所得)
- NNI(国民純所得)
- GNI(国民総所得)
それでは、これらの指標について詳しくみていきましょう!
SNA関連指標の解説
- GDP(国内総生産)
- NDP(国内純生産)
- DI(国内所得)
- NI(国民所得)
- NNI(国民純所得)
- GNI(国民総所得)
GDP(国内総生産)
GDP(Gross Domestic Products:国内総生産)とは、
「1国内で1年間の経済活動によって生産された付加価値の総額」
を意味します。
説明文に登場する「付加価値」とは「生産によって生み出された価値」のことで、最終生産物の価格から中間生産物の価格を引いたものになります。
マクロ経済学においては、「付加価値の合計」の他に「分配面から見たGDP」と「支出面から見たGDP」が登場します。
・分配面から見たGDP = 雇用者報酬 + 営業余剰 + 固定資本減耗 + 純間接税
・支出面から見たGDP =民間最終消費支出 + 国内総固定資本形成 + 在庫品増加 + 政府最終消費支出 + 純輸出

支出面から見たGDPは「GDP = C + I + G + X ー M」と変換することができます。(国内総固定資本形成と在庫品増加は投資を意味します。)
この式なら見たことがある人も多いのではないでしょうか!
これには、先ほど解説した三面等価の原則が関係しています。
三面等価の原則は、
生産(付加価値の合計) = 分配(所得の合計) = 支出(需要の合計)
のように、「生産」「分配」「支出」のどの側面から計算しても事後的には必ず等しくなるという法則でしたよね。
つまり、GDPは「付加価値の合計」による計算方法だけでなく、「分配面から見た所得の合計」や「支出面から見た需要の合計」からのアプローチでも同じように算出することができます。
- 生産面(生産国民所得):各産業が新たに生み出した「付加価値」の総額。売上高(総生産額)から、原材料費などの「中間投入額」を差し引いて計算されます。
- 分配面(分配国民所得):生み出された付加価値が、誰にどのように分配されたかを示します。主に、労働者に支払われる「雇用者報酬」、企業の利益である「営業余剰」、そして設備投資の目減り分である「固定資本減耗」などから構成されます。
- 支出面(支出国民所得):分配された所得が何に使われたかを示します。民間消費(C)、民間投資(I)、政府支出(G)、そして海外との取引である純輸出(輸出EX - 輸入IM)の合計となります。
また、試験では「GDPに含まれるもの」と「GDPに含まれないもの」を判別する問題がよく登場するので、ぜひ以下のまとめを確認しておきましょう!
- 生産者(農家など)の自家消費分
- 持家の家賃相当分
- 土地や株式、中古品売買の仲介手数料
- 行政サービス
- 製造業が支払う電気料金
- 中古品の売買
- 土地や株価の変動(キャピタルゲイン・キャピタルロス)
- 自宅の家事や家庭菜園

国民所得概念には「フロー変数」と「ストック変数」があります。
- フロー変数・・・一定期間中の変数の変動分
- ストック変数・・・一定時点における変数のそれまでの蓄積分
GDPなどの国民所得はフロー変数になります。(ストック変数は、実物資産と金融資産の純額を意味する国富と呼ばれます。)
NDP(国内純生産)
NDP(Net Domestic Products:国内純生産)は、
GDP ー 固定資本減耗(減価償却)
で表されます。
NDPは「市場価格表示の国内純生産」と表記されることもあります。
DI(国内所得)
DI(Domestic Income:国内所得)は
NDP ー 純間接税
で表されます。
式に登場する純間接税とは、「間接税から補助金を引いたもの」です。
また、NI(国内所得)は現行のSNAでは「要素費用表示のNDP(国内純生産)」と表示されます。
NI(国民所得)
NI(National Income:国民所得)は
DI + 海外からの純要素所得受取
もしくは
GNI ー 固定資本減耗 ー 純間接税
で表されます。
NIは「要素費用表示の国民所得」と表記されることもあります。
NNI(国民純所得)
NNI(Net National Income:国民純所得)は
NI + 純間接税
もしくは
GNI ー 固定資本減耗
で表されます。
また、NNI(国民純所得)は現行のSNAでは「市場価格表示のNI(国民所得)」と表示されます。
GNI(国民総所得)
GNI(Gross National Income:国民総所得)は、
NNI + 固定資本減耗
もしくは
GDP + 海外からの純要素所得受取
で表されます。
以前は「GNP(Gross National Products:国民総生産)」と表されていましたが、「所得」の要素が強いことからGNI(国民総所得)になりました。
- GDP(国内総生産)
- NDP(国内純生産)→ 市場価格表示の国内純生産
- DI(国内所得)→ 要素費用表示の国内純生産
- NI(国民所得)→ 要素費用表示の国民所得
- NNI(国民純所得)→ 市場価格表示の国民所得
- GNI(国民総所得)

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