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1章 第3回:物価指数と失業率

マクロ経済学講義第3回:物価指数と失業率 マクロ経済学
この講義の主な論点
  • ラスパイレス指数
  • パーチェ指数
  • 自発的失業
  • 非自発的失業
  • 摩擦的失業
  • 完全失業率
  • 自然失業率

一般物価指数

一般物価指数とは、基準になる年の物価に対して比較する年の物価がどれだけの水準にあるかを見る指標で、代表的な財の価格の加重平均として計算されます。

この一般物価指数の計算方法として、「ラスパイレス指数」と「パーシェ指数」があります。

ラスパイレス指数

ラスパイレス指数の計算式

ラスパイレス指数は、

基準時点の各品目の数量を固定し、その構成比でウェイト付けして個別価格を集計する方式

です。

つまり、

「過去(基準年)に買っていた商品の組み合わせを、現在(比較年)買ったらいくらになるか」

を計算し、過去の合計額と比較して物価の変動を測定します。

ラスパイレス指数は数量が固定なので毎月「現在の価格」だけを集計すれば良いので、計算に必要なデータを得やすいという特徴があります。

そのため、膨大なデータを素早く集計・公表する必要がある「消費者物価指数(CPI)」や「企業物価指数(CGPI)」などに用いられます。

パーシェ指数

パーシェ指数の計算式

ラスパイレス指数が過去の数量を固定するのに対し、パーシェ指数は

現在時点の数量を固定した構成比でウェイト付けした個別価格を集計する方式

です。

つまり、

「現在(比較年)買っている商品の組み合わせを、過去(基準年)の価格で買っていたらいくらだったか」

を計算して、現在の実際の合計額と比較します。

ラスパイレス指数と異なりパーシェ指数は数量が変化するため、計算に必要なデータを集めるのが大変(コストがかかる)というデメリットがあります。

一方で、消費者の代替行動を計算に組み込めるのでより実態に即した物価変動を把握できるため、パーシェ指数はアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が金融政策の判断基準として重視している「PCE価格指数」に用いられます。

計算上、ラスパイレス指数は上方バイアスがかかって値が高めに出やすい一方、パーシェ指数は下方バイアスが生じやすいという特徴があります。

「ラスパイレスは基準年」「パーシェは比較年」という対応関係をしっかりと暗記しておきましょう。

一般物価指数
  • ラスパイレス指数・・・「過去(基準年)に買っていた商品の組み合わせを、現在(比較年)買ったらいくらになるか」を表す指標
  • パーシェ指数・・・「現在(比較年)買っている商品の組み合わせを、過去(基準年)の価格で買っていたらいくらだったか」を表す指標

失業

失業の3つの分類

失業とは、働く意思と能力があるにもかかわらず、仕事に就けていない状態を指します。

マクロ経済学(特にケインズ)では、失業の発生原因を主に以下の3つに分類します。

失業の分類
  • 自発的失業
  • 非自発的失業(需要不足失業・循環的失業)
  • 摩擦的失業

自発的失業

現在の賃金率で働く意思がないために就業していない状態です。

非自発的失業(需要不足失業・循環的失業)

 不況により企業の労働需要が減少し、現在の賃金水準で働きたいのに仕事がない状態です。

ケインズ経済学において最も問題視される失業であり、有効需要を創出するマクロ経済政策によって解決を図るべき対象です。

摩擦的失業

 転職活動中であったり、自分に合った仕事を探すのに時間がかかっていたりすることによって生じる、一時的な失業です。

完全失業率と自然失業率

日本の統計における「完全失業率」は、「労働力人口(就業者+完全失業者)」に占める完全失業者の割合として計算されます。

学生や専業主婦など、働く意思がない人は「非労働力人口」として除外される点に注意が必要です。

また、景気が良く労働需要と供給が一致している状態であっても、摩擦的失業や構造的失業はゼロにはなりません。

このように、マクロ経済が正常に機能している状態でも不可避的に発生してしまう失業率のベースラインを「自然失業率」と呼びます。

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